あなたにスペシャルを




「黒崎君、いっしょに帰りましょう」

「・・・なんだよ、その口調は・・・」



鞄を持って、一護の机の前に行き、彼に声をかけると引きつった顔で、一護はあたしを見た。
いや、そんな引かなくても・・・いいじゃない?


一護は、鞄に教科書をつめこんで、立ち上がった。


「よし、帰るか。」

「おうでございます☆」

「だから、そのしゃべり方はやめろって」

「ハーイ」



にっこりと笑ったあたしに、一護は微笑んで
あたしたちは教室を出た。



今日は何故か、テンションが高い。
いつも以上に・・・なんでだろう?いつもなら、こうもう少しだけ落ち着いてるんだけどね。

一護と帰ってても、普通なのに。
そんなことを考えながら、あたしは歩いていたら、突然あたしの横を歩いていた一護が
立ち止まった。



「あれ?どうしたの、一護?」

「・・・おまえさ、痩せた?」

「え?何、急に・・・」

「いや、元々細身だったけど、なんかこう・・・女っぽい体つきになったなって思って」

「!?変なこと言わないでよ!!」



一護は顎に手をあて、考えるようなポーズで、ふむふむとうなずいた。
なんだか、恥ずかしくて、顔が赤くなる。


そういえば昨日、一護と帰ってるときに、突然一護が「可愛い」
とか言ってきたから、驚いた。それで、うれしくて今日はいつも以上にお洒落してきたんだっけ。

自分のどこかで、また一護に「可愛い」って言ってもらいたくて
だから、お洒落して、褒められたからテンションが高かったのかな・・・。

そんなこと思ったら、恥ずかしくなってきて・・・。



「い、一護・・・」

「女っぽくなったよな」

「っ・・・///////////恥ずかしいよ////」

「・・・」



ガシ。
突然、腰に手を回され、あたしは一護に抱きしめられた。


「一護??」

「あーあ・・・どんどんが可愛くなってきてるから、俺、すぐにおまえを見ると顔が赤くなっちまう」

「・・・・・・・・一護こそ、カッコイイから・・・あたし、顔が赤くなっちゃうよ」

「なんか、照れるな」

「あたしもだよ」



ぎゅっと目を閉じて、あたしは一護の胸元に顔をうずめた。
恥ずかしくて、うれしくて・・・。



なんだか、特別なキモチにあたしは、胸が痛くなった。
大好き、大好き・・・一護でいっぱいで、あたしは胸が痛くなるの。


「もう帰るか」

「う、うん」

一護から身体を離すと、一護はにっこりと微笑んだ。
あたしも微笑んで、一護の手を握りながら、帰った。


特別なキモチ・・・
これってスキってキモチだよね。


特別な、スペシャルなキモチ・・・

いつまでも大切にしたいよ。




END



企画サイト様「全てによる祝福を」に提出しました。